先輩!彼氏にしてください!
第3章 スーパー新会員
おっしゃる通り…
うちの生徒会は常に人手不足。
めんどくさいことばかりだし、やりたがる人なんてほとんどいない。
私だって、1年生の時先生にお願いされて、断れなくて始めたくらいだし。
そんな人間が会長をやっているような、そんな組織だ。
「どんな人なんですか?」
「2年生だから平井も葵ちゃん知ってるんじゃないの? イケメンだったよ」
イケメンと聞いて、ブルっと寒気がする。
いや、でも、イケメンなんて…いくらでもいるし…
「名前は?」
平井くんがメガネをクィと上げながら、星野くんに尋ねる。
「えーーっと……なんつったっけなぁ」
「どんな見た目ですか?」
「えーと、背が高くてひょろひょろってしてんだけど、顔はとにかくイケメンで……」
そんなわけない。
そんなわけない。
いや……本当にそんなわけないか?
だって、生徒会は常に人手不足で、やりたがる人はいなくて…
そんなところに自らやってくる奴なんて、変な奴に決まってて……
「もしかして、この春転校してきた谷川くんですかね?」
「あーーそう、そうそれ!」
「っ……だめ!!!!」
予想が的中し、机を強く叩きながら立ち上がる。
すると、平井くん以外の葵ちゃんと星野くんはびっくりした様子で身をすくめていた。
「なんだよ安藤…急に…びっくりするじゃん」
「だめって……あ、そういえば、確か谷川くんってほのか会長のファンでしたよね」
「ファン……?」
葵ちゃんの言葉に首を傾げている星野くんをキッと睨みつけると、星野くんはさらに身をすくめた。