先輩!彼氏にしてください!
第4章 モデルをお願いします!
ほのか先輩は、押しに弱い。
優しい性格だから、困っている人はほっとけないし、何かを頼まれたら自分の気持ちを押し殺して問答無用で引き受けてしまうタイプだ。
それを知っていて、僕はひたすらに押している。
突っ走ってしまって、強引すぎてしまうこともあるから、嫌われたりしないかとヒヤヒヤしながらも、やっぱり無理にでもほのか先輩がほしい。
とはいえ、時々制御できないのは直さないといけないかもしれないけど。
授業中、
先輩に言われて前髪を切ってから周りがあまりにも見えすぎて、とても落ち着かない。
先生の言うことを聞きながらも頭の中はほのか先輩のことでいっぱい。
今ほのか先輩は何の授業を受けているんだろう?
この時間は体育、だっただろうか。
どんなことを考えてどんなことを思っているのか。
お腹空いてないかな? 今日も食堂に行って隣に座ろう。
先輩の好きなあの野菜ジュースをまた買って行こうか。
あぁ…
全部……全部を知りたい──────
クラスの男たちと話したりしているだろうか。
あの笑顔を振りまいて、また誰かを虜にさせてたら…
いやだ。そんなの絶対許さない。
色々なことを考えている最中、突然教室にやってきた美術の早坂先生は、授業をしている国語の先生に声を掛けると、授業中にも関わらず僕のことを呼んだ。