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先輩!彼氏にしてください!

第4章 モデルをお願いします!




「………キモチワルイ」



ボソッと呟かれたほのか先輩の言葉に、僕はティッシュを押さえたまま頭を振る。




「……ヌードじゃありません……」


「…………真面目に描く?」


「どういう意味ですか」



ティッシュで鼻を押さえているせいで、声がこもる。



「どういう意味ですか…じゃないでしょ、この前科者」


「えっ……? ほのか、後輩くんに何かされちゃったわけ?」


「…………別に。なにも」


「っ………」



ふんっと息を吐いたほのか先輩を見て、胸が苦しくなった。


暴走して色々とやってしまったかもしれないけど…


でも、やっぱり今思い返してもキスはほのか先輩も悪かったと思う。


まずい……その時の先輩を思い出したら、また鼻血が止まらなくなってしまう。



落ち着くためにふぅ……と息を吐いている、「わかった」とほのか先輩が呟いた。



「え……?」


「ただし、絵を描くだけだから。ヌードもなしだし、触れるのもなし。あと、生徒会とか他の用事がない日だけ」


「………………」


「守れなかったら、谷川くんとはもう一生口をきかない」


「っ………ま、守ります!」


「……なら…いいよ」



またもや、思ってもみなかった展開だ。


まさか、先輩がOKしてくれるだなんて……



「ありがとうございます……っ」


「綺麗に描いてよ」


「ありのまま描かせてもらいます」



だって……





「それが、一番綺麗ですから」




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