先輩!彼氏にしてください!
第7章 天才の苦悩
麻理の執拗な問い掛けに根負けした私は、ここ最近起こったことを週末の件も含めてモニャモニャと伝える。
何かを言うたびに麻理が意地悪く楽しそうに反応するので、一通りに話終わったところでどっと疲れた。
「なるほどねぇ…」
片眉を上げた麻理を見て、顔を合わせずらくなった私は少し俯く。
すると、麻理は「それでさぁ」と言葉を続けた。
「ほのかは、どう思ってるの?」
「………え?」
「いや、ほのかの気持ちってどうなのかなって」
「気持ちって何」
「単刀直入にいえば、後輩くんのこと、好きなのかってこと」
突然の質問にギョッとした私は、「いやいやいやいや!」と声を上げた。
「ないっ! ないでしょ! そんなわけない!」
「……ふーん?」
信じていない風の麻理は、ジィッと私に顔を近付けて見つめてくる。
「『そんなわけない』って思い込もうとしようとしてるんじゃなくて?」
「なんでそんなことになるの」
「だって、キスも拒めたのに、そのまま受け入れたり、ほのかからキスしたり、週末だって───」
「──── ちょっ、ちょっと声が大きい!!」
慌てて麻理を抑えると、麻理は「あーごめんごめん」と適当に言っている。