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仔犬のすてっぷ

第11章 最初の、すてっぷ


「言っただろ?温泉に来たら、裸同士の付き合いなんて、普通なんだよ。隠してっと、シラケけちまうだろうが」

あ、あう・・・
こ、これじゃ、湯船から出られ無い……(泣)


「かっ…返してよ!やだよ!恥ずかしいよっ!」
「オトコたる者、このくらいで恥ずかしがるんぢゃねえっ!!
この、俺様を、よ〜くみて見ろおぉ!!」


ざっぱああぁん!

湯船から立ち上がり、腰に両手をかけ、仁王のように……僕の真ん前に突っ立って。

僕は思わず手で目元を隠す。
よりによって、すぐ目の前で立つなんて。



 …はい。
彼の逸物は、威張っているだけはある大きさでございました。(←ヤケクソ)


「さあ、優希ぃ!お前も、俺に倣って(ならって)見せてみろおぉ!!」
「だっ…誰が見せるかバカタレぇ!そんな熱血調で勢いに乗せようったって、そうはいくもんかっ!」

「…あり?ダメ?」
「……まさか…本気でこのノリに僕が釣られると思ったの?」

「うーん…正攻法じゃ、無理か」

 腕を組んで考え込む蒼空を見た僕は呆れて口を半開きにしたまま呆けた。
(コレを正攻法だと宣う蒼空って・・・もしかして、本当に、バカ?(汗))


「……じゃあ、やむを得ん…」

小さくそう呟いた彼は、再びお湯の中に体を浸からせる。
そのまま、す〜〜いっと、僕の方へ一気に近寄ってくると


「じゃあ…元気、一発……」

「……あ。え?!はあ?ち、ちょ…なん?!」

蒼空の体が僕にくっつくのと、両脚膝の裏と背中に彼の腕が当たったのが同時だった。



「ふぅあぁいとおおぉぉぅっ!!」
「うぅわあぁひゃああぁっ?!」



ざっぱああぁんっ!!


彼の気合い一発で、僕の身体は一気にお湯の中から掬い上げられてしまった。



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