テキストサイズ

仔犬のすてっぷ

第15章 嵐の予感


「・・・それで、その後は何も無しか……
なんか、納得いかん…ねえなむぐ……」

ツマミのイカの燻製を、怒りを込めながら噛みしめる蒼空に、僕はまあまあ…と手でジェスチャーしながら話を続ける。


「あの後、僕を探し出したりされなかっただけでもマシさ。もしあの後もつきまとわれたり、また捕まったりしてたら……僕は壊されていたかもしれないからねぇ・・・」

「優希は人が良過ぎるんだよ。だから付け込まれて酷い奴に絡まれたりする。
ま、これからは俺がそばで護るから心配はないけどな♪」

(・・・僕のこの性格じゃ無かったら、君ともこうしている事は無かったかもしれないんだよ?蒼空……)

 あの時、部屋に担ぎ込まずに警察や病院に連れて行っていたら・・・
今頃、蒼空と僕はどんな関係になっていただろうか?

 美味しそうに3本目のビールを飲む蒼空を、僕はこの時……
きっと、宝物を見るような眼で見ていたに違い無い。





「・・・ん?どした?そんな眼で俺を見るなんて………また、気持ち良くなりたいんか?」



・・・・・・彼には、この眼が物欲しそうな人の眼に見えたらしい(汗)





この、スットコドッコイめ。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ