
仔犬のすてっぷ
第15章 嵐の予感
翌朝ーーー
朝食を取るために専用の食堂へ行くと、沢山の人達がすでにテーブルで食事をしていて…
その中に、彼女達もいた。
偶然なのか、それとも里美権限なのか……
指定されたテーブルは、隣り合っている。
「おはよー☆」
結さんが、ひらひら手を振って僕に手招きしているので寄ってみると
小声で
「昨夜はどうだった?関係は進展したの?」
・・・は、ははは……(苦笑)
「・・・まあ、なるようになった・・・というか ……二人で “裸で” お風呂に入れるようになった、というか……」
「なーに遠回しにに言ってんだよ?
『おかげさまで』って、答えれば良いんだよ♪」
後ろからついて来た蒼空が、僕の肩を抱きながらニンマリと笑って口を挟む。
「あら、良かったじゃない。それでこそ私が部屋を苦心した甲斐があったってものよね〜♬」
里美さんが、食後のコーヒーをすすりながら僕にウインクを飛ばした。
……いやあ…それに関しては貴女には本当にお世話になりましたぁ(感謝っ)
「こちらこそ、あんなに良いお部屋、取ってもらっちゃって……ありがとうございます」
おかげで人の目を気にすることなく温泉を満喫できて…それだけでも嬉しかったですぅ♬
「あれは、まあ…運が良かっただけよ。でも、こちらとしても喜んでもらえて嬉しいわ♪」
「頑張って、頑張らない……正直、あの言葉の意味は解ってないんですけど・・・」
頭を掻きながら僕が結さんに打ち明けると
「肩の力を入れすぎないで、って意味のつもりだったの。変に意地を張っちゃったり、考えすぎちゃうとみんな空回りしちゃって、何にも良い事、無いから……
意味が解らないまま、それでも進展したのなら・・・きっと、始めからそうなるように決まっていた事なのよ……たぶんね♡」
そう言った結さんは、明るい笑顔でそう話してくれたのだった。
・・・そうなるように…決まっていた…かぁ…
僕と蒼空が・・・。
……まだ、実感がないなあ……(苦笑)
