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仔犬のすてっぷ

第15章 嵐の予感


・・・結局。
彼女達とはフロントでのチェックアウトまで一緒だった。


「これで、本当にお別れね。なんか…名残惜しいわね」

「その気があるんなら、連絡先、交換しとくか?メルアドとかラインとか……」

蒼空がスマホを手にしながら里美さんに訪ねたけど


「私は、パスしとく。元々どっちもやらないし、くわしくないし……
古臭いかもしれないケド、〈縁があったらまた会える〉ってのが信条なのよね」

「センパイったら、相変わらずねぇ・・・まあ、私達自体、その通りだったから否定はしないけどね☆」

などと言いつつも、結さんはスマホを取り出して


「同じ志しを持つ者同士、連携しましょ♡」
「オウ!話せるぜ!」

ちゃっかり蒼空と諸々を交換しはじめたのだった。




「……私、時々あの娘についていけないんだぁ……(汗)」
「あ、それ。僕も彼に感じる事があります……(汗)」



・・・良くも悪くも、やっぱり僕達と彼女達は似た者同士のようだった(苦笑)







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「…ごめん、ちょっとトイレ行ってくるから、車で待ってて」

 荷物を愛車のワゴンRに詰め込んだ後、急にトイレに行きたくなった僕は蒼空にそう言うと、トイレへ駆け込んだ。


「ホテルに泊まったんだから、ホテル側の駐車場へ車を移動しておけばよかったなぁ………」

 今更文句を言っても始まらない。

 僕の車は、一般入場者の駐車場に停めてあった。
なにしろ、本当は日帰りで遊びに来たのだから当然、遊園地やショッピングモール側の駐車場に停めていた訳で。


 ナガ◑マの駐車場はとても広く、平日で比較的空いていたからゲート近くに車を停めていたとはいえ……
トイレのある入場者出入り口まではかなり距離がある。



 朝で開園前。開園まで一時間前のそこにはほとんど人は居なくて・・・


 そのおかげで人混みとは全く無縁にあり、文字通り走ってトイレへ駆け込む事が出来た。


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