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仔犬のすてっぷ

第15章 嵐の予感


無我夢中!全力疾走!

トイレを出てすぐにもうひとりが待ち構えていたけど、向こうが反応するより速く。
偽従業員の横をすり抜けて。

アニメみたいな効果音が聞こえそうなほど

走りまくる!!

某番組のハンターさんを、短時間ならば振り切れる自信のある僕は一目散に車へ向った。




「・・・そっちは二人…か。やれやれ……」


愛車ワゴンRまで走れば、そこには・・・
すでに1人KOして、手を組んでぱきぽきぺきっと鳴らしながら待ち構える蒼空がいた。


「・・・人のオンナを二人がかりで襲おうなんて考える奴等にゃ、手加減しねぇ・・・」


劇画タッチのデニム姿……
どこか世紀末な拳士みたいな佇まいを醸し出す蒼空に………

あ、ああ・・・
色々ツッコミたいんだけど、全力疾走の直後なんで……い、息がまだ……



「あたあ!ほわたあ!あーたたたたたた・・・」

あ〜あ…やっちまったぁ!(汗)
まあ、裏返った声で拳を雨あられと叩きつけてるあたりで大体の人は想像出来る通り。




「奥義、風海ッ!百裂拳ッ!!」

・・・ほ〜ら★お約束(苦笑)


「・・・オマエはもう…死んで(気を失って)いる……」

はい。オマケ付きのフィニッシュ(*ため息*)

ドサァ…

一人目、撃沈。


二人目…
殴りかかってきた相手に一歩踏み込んでからの蒼空の膝が、キレイにボディに入る。

その、くの字になった相手の膝に右足から乗り、左足で軽く体を押すような蹴りをいれたと同時位の速さで右足で相手の顎を蹴り上げながら一回転して着地する。


「さ…サマーソルトキック……初めて見た……」

バタぁん…

二人目、轟沈。



「・・・なんなんだ?コイツら……弱っ!」

とりあえず、車のトランクに積んであった荷造り用のビニールロープで動けないように固定しながら蒼空がぼやいた。


・・・そういえば僕を襲った二人は走るのもそんなに早く無かったし、体力も見た目と変わらないオジサンだったような気がした。





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