
仔犬のすてっぷ
第15章 嵐の予感
「いいんですか?オーナー。情報流しちゃって」
「構わないわよ。だって、料金未払いのまま、連絡取れない上に身を隠した相手なんて庇う義理は無いでしょう?」
「え〜…あ、貴女が、この子達の身元引受人……ですか?」
突然現れた、背の高いチャイナドレスの女性の迫力に、警官のおじさんが怯んでいるようにも見える。
(・・・まあ、普通、そうなっちゃうよね〜(苦笑))
「私はコチラ……蒼空の保護者になります。そちらの優ちゃんの保護者は…あ、来た来た♬」
スタスタと早い足取りで表れたのは大工の源・・・じゃなくてウチの店長だ。
今日は確かうちの店がサービスデーだったからだろうけど、よりにもよって、青色のハッピなんて羽織っていたらマジ、ヤバいです(苦笑)
「林原ぁ!無事か?アユんとこのも、なんとも無いようだな!」
……普通ならハッピからジャケットに着変えるだろうに……それの時間を惜しんで来てくれた事に少し感激してしまう。
「あら。蒼空なら大丈夫よ。優ちゃん1人のボディーガードくらい、難なく務められるわ☆」
「相手の出方が分からんのにそんな呑気に構えてるんじゃない!万が一があったら・・・」
「・・・取り込んでいる所悪いが、とりあえずコチラにサインを頂けませんかね?」
警官のおじさんが、軽く咳払いをしながら二人の間に入って来てくれたおかげで、とりあえず御二人はぴたりと動きを止めてくれた。
・・・この御二人。
一瞬、子供の事で言い争いをする夫婦に見えたちゃって……
もちろん、森川店長にそんな事は言えない(笑)
