
仔犬のすてっぷ
第17章 予期せぬ来客
「…ココの開店当初から・・・だったよな?」
「そうねえ……あの頃は売りにできる物が無くて……たまたまモリリンの声がガンダ▲キャラに似てるってお客様に言われて、真似たらウケたのが始まりよね」
「あの時は必死だったからな。なんでもやってみるもんだと、思い知らされたよ」
・・・開店当初…から?
「あれから4年か・・・・早いもんだ」
「今じゃ、メインの売り物になって、人気も出て雑誌の取材も来たわよね」
「・・・え〜…でも、なんで店長が手伝いしてるのか・・・謎なんですが(汗)」
「そ、それは、だな」
ちらっと、歩美さんを見た店長が苦笑いした。
「私がモリリンとの賭けに勝っちゃったから♡」
「か…賭け、ですか?なんの・・・」
「あのね♡それは・・・」
「おーっとっとっ!その話は、そこまでだ」
ディオ・森川に戻った店長が、〈し〜っ…〉と人差し指を自分の口に当てて、静かにしなさいのジェスチャーを取る。
「全くの無回答だと納得しないだろうから補足だけしておくが、俺とアユは、昔、付き合ってた。
で、その時にある賭けをして、負けたから、彼女の夢を手伝っている・・・と、まあ、そのくらいまでは教えておく」
………え?ずるい。
そこまでは聞かなくてもなんとなく分かるんですけど?
「そうねぇ・・・モリリンの顔は立てなきゃだけど、それじゃ納得しないでしょうからもうひとつ言えば……」
「言わなくていいって!」
「『夜の営み』絡みだから話せない、って言えばいい?」
ぐっ!と何かをこらえる顔をしながらも、ディオ・森川店長はしぶしぶ頷いた。
まあ・・・そんなふうに言われたら、確かにそれ以上は聞けないよなぁ〜…(苦笑)
・・・ホントはちょっと聞いてみたいけど(笑)
