
仔犬のすてっぷ
第22章 Played Fight a Waltz Steps
「…貴様、何者だ?!」
そう問いかけながらスーツの男は懐へ右手を差し込むが
「おっと☆」
ガガスッ!!
1つの棒の先はスーツ男の右手首を、もう片方の棒の先が顎を左から薙ぎ払われ、男は脳震盪を起こし尻もちをついて倒れる。
「この日本で、な〜に物騒なモノ仕込んでるのかなあ?」
「さ…三節棍?そんな玩具ちゃごぶ!」
一本になった棍棒に脳天を叩かれて、スーツ男は気絶した。
「オモチャも使い方ひとつなんだよ。コレが鎌ならアンタ、死んでるぜ?」
ディオ森川は、苦笑いしながら呟いた。
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「はああぃっ!」
どガシャッ!
鉄製の篭手が相手の脇腹に深々と突き刺さる。
「・・・ぐけぇえ……」
「なめんな!」
アキラの背後から鉄パイプが振り下ろされ…
その直前に、潤の赤いサンドグローブが、ソイツの鳩尾に深く突き刺さる。
「久しぶりで、カンが鈍ったかアキラぁ?!背中がガラ空きだぜ?」
「そうだな……久しぶりすぎて、ガントレットが重く感じるのは確かだが……」
真横から迫る警棒を、左の篭手を使って簡単に往なしたアキラは、よろける相手の背中を右側の篭手で激しく叩き付ける。
「ぎゃっ?!」
「……前から来てるぞ?俺を見てる場合じゃないだろ?」
「分かってるっての!そりゃあ!はあっ!ハイッ!!」
潤の両拳が次々に相手に雨アラレと降り注ぐ。
トドメに相手の顎を蹴り上げて倒した直後に、鉄柱が潤の頭の上スレスレをぶううぅんっ!!と風切り音と共にかすめていく。
「うおっ?!あっぶねー!……な、コノヤロー!!」
鉄柱をブンブン振り回す型位の良い大男に、金属の粉が詰まった赤色のグローブ越しの鉄拳を叩き込んだが…相手は怯まずに鉄柱を叩き付けてくる。
ズズンッ!
地面に叩き付けた鉄柱を紙一重で避けた潤は、左手の手甲を手前に構える。
「貴様みたいなタフ野郎には、これだ!
・・・俺のコブシが光って唸るッ!」
バチッ…構えた左の手甲に、声に合わせて電気の筋が生まれた。
「…オマエを倒せと輝き叫ぶッ!ひいぃっさあぁつっ!!」
バチバチバチッと左手が電気を帯びてスパークする。
