
仔犬のすてっぷ
第4章 攻防戦?!
(人に直当てははじめてだけど……これならっ!!)
やっぱり蒼空のカカト落としは効いていたらしく、僕の引手で警棒オトコがぐらりとバランスをくずした。
そのまま左を引き寄せながら、両脚を開き、身体の重心を下半身を落としながら、全体重を右ひじに乗せ、体を半分内側へひねりながら右肘を真っ直ぐ突き出す…。
蒼空の左拳が弓から放たれる無数の “矢” なら、僕のコレは…横薙ぎに振り放たれる重いハンマーの一撃。
《コレはいざ、という時だけに使っていいものだ。人に当てると、相手はタダでは済まんからなぁ…》
じいちゃんのあの時の声が、頭の中に蘇る。
(ごめん、じいちゃん…今が多分、その時……)
ーー どズン!!
相手に、肘を撃ちつける!
「へ?……り…裡門頂肘(りもんちょうちゅう)?!」
蒼空の上擦った声が聞こえたと同時に
ばきばかがしゃあっがんっ!
部屋の中扉ごと、警棒男が外扉まで吹っ飛んで叩きつけられ、見事にのびる。
「あ"・・・や、やり過ぎた(汗)」
「あ、アンタ…虫も殺さないような顔して、とんでも無いなあ……」
完全に血の気の引いた顔で、蒼空が僕の顔を見る。
「心臓に当てたりしたら、下手すりゃ、死ぬぜ?」
「…初めて人に当てたし……何処に当たったか、よく分かんない」
僕の言葉に蒼空の顔の縦線がさらに増える。
「……て、事は人以外に当てた事はある…訳だ。
人以外のそれは、その時どうなった?」
「…ぶら下がった車のタイヤは、ロープが千切れて飛んでっちゃったし、自転車用のヘルメットの時は、マネキンの頭ごと砕けちっ……」
「わーーっ!おい、おま、早く、き、救急車呼べぇ!」
ばちばちん!
蒼空が呼びかけた素手男が、何か弾けた音の後で急に崩れ落ちる。
その後ろから現れたのは……
「大丈夫。もう警察も救急車も呼んでる。それより林原……」
護身用スタンガンを片手に、森川店長が指をさして僕にウインクを投げた。
「そいつはミステイク、だぞ?☆」
やっぱり蒼空のカカト落としは効いていたらしく、僕の引手で警棒オトコがぐらりとバランスをくずした。
そのまま左を引き寄せながら、両脚を開き、身体の重心を下半身を落としながら、全体重を右ひじに乗せ、体を半分内側へひねりながら右肘を真っ直ぐ突き出す…。
蒼空の左拳が弓から放たれる無数の “矢” なら、僕のコレは…横薙ぎに振り放たれる重いハンマーの一撃。
《コレはいざ、という時だけに使っていいものだ。人に当てると、相手はタダでは済まんからなぁ…》
じいちゃんのあの時の声が、頭の中に蘇る。
(ごめん、じいちゃん…今が多分、その時……)
ーー どズン!!
相手に、肘を撃ちつける!
「へ?……り…裡門頂肘(りもんちょうちゅう)?!」
蒼空の上擦った声が聞こえたと同時に
ばきばかがしゃあっがんっ!
部屋の中扉ごと、警棒男が外扉まで吹っ飛んで叩きつけられ、見事にのびる。
「あ"・・・や、やり過ぎた(汗)」
「あ、アンタ…虫も殺さないような顔して、とんでも無いなあ……」
完全に血の気の引いた顔で、蒼空が僕の顔を見る。
「心臓に当てたりしたら、下手すりゃ、死ぬぜ?」
「…初めて人に当てたし……何処に当たったか、よく分かんない」
僕の言葉に蒼空の顔の縦線がさらに増える。
「……て、事は人以外に当てた事はある…訳だ。
人以外のそれは、その時どうなった?」
「…ぶら下がった車のタイヤは、ロープが千切れて飛んでっちゃったし、自転車用のヘルメットの時は、マネキンの頭ごと砕けちっ……」
「わーーっ!おい、おま、早く、き、救急車呼べぇ!」
ばちばちん!
蒼空が呼びかけた素手男が、何か弾けた音の後で急に崩れ落ちる。
その後ろから現れたのは……
「大丈夫。もう警察も救急車も呼んでる。それより林原……」
護身用スタンガンを片手に、森川店長が指をさして僕にウインクを投げた。
「そいつはミステイク、だぞ?☆」
