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仔犬のすてっぷ

第4章 攻防戦?!

「用が済んだんならさっさと帰れ」


「珍しいですよね〜…捕まえたゴト師にですら、笑顔で接する店長が……」
「あの女性(ひと)は、森川の天敵…みたいな人でね。ああ見えて、実は……」

「スケ!余計なコトは話すな!」
「あら、助ちゃ〜ん♡今度、ウチの店にも遊びに来てね〜♡ランジェリー・パブよりサービスするからあ♡」

ひらひら手を振る身元引受人に、助野主任が引きつった笑顔を作る。


「俺も苦手なんだよね、あのヒト……」

「……で、そっちの子が優希ちゃんね?今回は、ウチの蒼空を助けてくれてありがとう」

丁寧に頭を下げる大人の女性に、僕も慌ててお辞儀を返す。

「い、いえ……大した事はしていません。コチラこそ、蒼空君には助けられました」


「・・・ふ〜ん?なるほどね~♪」

つかつかっ、とハイヒールの底を鳴らしながら歩み寄った彼女は

「私はあゆみ。獅童 歩美
この子が働くボーイズ・バーのオーナーよ☆
私、あなたみたいな子、探してたの。
一度、ウチのお店にも顔出してみてね☆待ってるから♡」

「アユ!俺の子供にチョッカイ出すな!」

 僕の顔に、自分の顔をずいっ!と近づけ、顎を優しく掴んでくいっ!と引き寄せる。
 それを、森川店長は素早く割って入り、彼女の手を払い除けた。


歩美さんは、大人のいい匂いがした…。


「優希、あの人に目をつけられたら、逃げるのは至難の業だぜ?」

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