テキストサイズ

仔犬のすてっぷ

第6章 優希の経験


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・ぅ…。

なんだろう……?
背中が、暖かい……?


「・・・ぁ?!ぅ……」
「あら?お目覚めみたいよ?」



僕は目を、ゆっくり開けた。



真暗……というほどでは無いけど、暗い部屋の中。

埃の匂いと……コレは汗のニオイ?

 斜めの傾斜がある天井と、横壁の高い場所に窓がある。そこから青白い光が差し込んできていて、差し込む光が幻想的にさえ見えた。

「……こ…こ……は?」
「ここは第2体育用具室…私達がこっそり使わせてもらってる……まあ、君達小学生からみれば、私達の秘密基地って、ところかしら?」

 すぐ隣から、アケミさんの声が聞こえてくる。そちらを見ようとしても、首が思うようには動かない。


「…あ…れ?くび…が……うご…か…な………?」

「あらら。明美ぃ。クスリ、効き過ぎじゃないの?」

 アケミさんの反対側…アケミさんは右側に、もう一人は左側にいて……今は二人が僕の死角にいるらしく、その姿を見ることが出来なかった。


「大丈夫よ。睡眠導入剤だし、ちゃんと子供用に分量は計って使ったんだから」

す…睡眠…導入剤?


「多分、スポーツドリンクに粉にして混ぜたから、急に体に取り込まれて一気に効いたせいだよ」

僕の真後ろ……暖かい方から、そんな説明じみた言葉が聞こえてくる。


「ごめんね~?ホントは、こんな手は使いたく無かったんだけど……」

 右側から、タオルケットを羽織ったアケミさんが現れた。
 現れた、というよりは初めからそこに居るので、実際には見えるようになっただけなんだけど……。

 もうひとりのお姉さんも、姿が見えるように前に現れて……コチラはバスタオルらしい物を羽織り、さらに体に巻いている。


「お手紙に書いた通り、コレからいい事教えてあげるね♡」



 そう言うと、アケミさんは僕の唇に唇を重ねて来た。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ