テキストサイズ

仔犬のすてっぷ

第8章 お出かけ♪



 あの、いつも苦虫を噛み潰したような顔でテレビに出てる、あの怖そうなおじさんが、蒼空のお得意様………?!


ーー『どうだぁ?効くだろぉ?』ーー

 あの、超強面の、悪役連合会より怖い顔の国会議員様が、ソフトクリーム片手にニンマリ笑いながら歯をキラッ☆と光らせている絵が頭に浮かんだ。


(…あ、でも意外と可愛い?(苦笑))


「でも、良いのかい?自分のお客様情報、他人の僕なんかに流しても?秘密厳守なんじゃ……」

「このくらいは秘密にはならないさ。ウチに来る客層を言うなんて、逆に宣伝になるし。オーナーも許可してるよ」

ソフトクリームをわずか三口で片付けて、手を舐めながら蒼空は言った。


「流石に竹中のオッチャンが店に来ることは無いし、他の有名人からのオーダーも、はじめから店外で会う事の方が多いけどな」

う〜ん…そんな風なんだ?

 そんな感じで超有名人なんかと初顔合わせなんかしたら、僕だったらガチガチに緊張しちゃうだろうな…。

改めて、蒼空の凄さに感心してしまう。
物怖じしない性格は、時としてうらやましい。


「そんなことより、これからどうする?俺、こういう所、プライベートでは初めて来たんだよ」

「…蒼空、こっち(名古屋)に、来る前は、湘南に居たんだろ?あっちなら似たようなところでMM(みなとみらい)とか、八景島シーパラダイスとかあるじゃん?」

まあ、位置的には2つは離れてるし、内容的にはちょっと違うだろうけど…横浜に近いから、中華街だって……。


「中学までの社会見学とかでならあるけどさぁ…大人になって、個人的にってのは無いんだ。近いようで遠いからな。
それに、高校転校してコッチに来たから、俺はハマよりは栄や大須の方が身近なんだ」

なるほど…名古屋訛りはほとんど無いから分からなかったけど、蒼空はほとんどコッチの人間なんだ。


「……じゃあ、まずは海水プール、行っとく?」

 乗り物は、さっきのシロナガスクジラでもう、お腹いっぱいだから(苦笑)

ストーリーメニュー

TOPTOPへ