
仔犬のすてっぷ
第9章 僕等と一緒に
……う〜ん…。
「はい、センパイ♡苺」
「う、うん。はむっ☆…うん、美味しい♪」
「優希。この台湾カレー、なかなかイケるぜ?ほれ☆」
「う、うん。はむっ…★……あ、ホントだ。コレ、美味いねぇ♫」
「里美センパイ、クリームが……」
「あ、うん、ありがと♡」
「オイオイ。カレー付いてんぞ?ほら…」
「あ、ごめん…ありがとう、蒼空」
・・・ねえ?
僕らは、ホント、似てませんか?
「……お二人共、仲が良いんですね。
なんか、雰囲気の違う美人が二人でそうして食べさせ合ったりしてると、それだけで絵になるというか…」
嫌味では無く、素直に思ったことを口にしてみた。
このまま写真を撮ったら、それだけで雑誌の特集記事が作れちゃいそうな……そんな感じさえあったから。
「まあ、確かにこの子は昔、雑誌のモデル目指した事もあるし、ちょっとしたプロモーションビデオなんかにも出たりしてたけど……
今はただの町工場の事務社員だし。
私なんかついこないだまで引きこもってた落ちこぼれ社会人だよ?なにも特別なモノなんてないわ。
……そちらこそ…どっかのアイドルグループの、プロモーションビデオみたいな感じに仲良く見えてて、素敵だと思うけどな〜〜?」
里美さんと僕は、互いに目を合わせると
「僕ら、ホント、似てません?」
「私ら、何か、凄く似てない?」
自分の事を好いてくれる、同性の相方がいて、そちらの行動パターンもかなり近いものがあり……。
なおかつ、考えている内容も似てたりして。
「「あはははははっ☆」」
僕と里美さんは、思わず声を出して笑いあった。
「…? どした?優希」
「? …先輩?なにかあったの??」
きょとんとして聞いてくる二人がまた似ていたりするから、さらに可笑しくなって……
こんな偶然って、あるもんなんだなぁ…
