
仔犬のすてっぷ
第10章 JAZZと夢と、その裏に
「浴衣…買わねえと、な?」
蒼空のその1言で、先ずは浴衣を売っていそうなお店のハシゴをする事に。
「やっぱ、浴衣は女性ものが映えるねぇ」
自分が着る訳じゃないけど、華やかな浴衣を見て回るのも悪くない。
それに、今日は華やかな花が二人も一緒だし♫
「私達、一応持ってきてるけど……欲しくなっちゃうなぁ」
お手軽な値段のものから、思わず引いちゃうような高価なものまで色々あるけれど……
この二人なら、何を着ても似合いそうだよねぇ。
「…お?コレなんか、面白ぇな♪」
蒼空が見ていたのは……
ば、バニー浴衣?!こんなんまで売ってんだ(笑)
「まさか…あの二人にコレを着せようとか…考えてない?」
「変か?特に結ちゃんにはよく似合いそうなんだが?」
・・・確かに…栗色の瞳と明るいブラウンの髪の彼女には、こういうのを着せてみたい衝動に駆られる。
……男の性かな?やっぱ(苦笑)
「あら、そう言う優希君だって…意外と行けそうじゃない?」
はぅぁ!里美さん……それわ蒼空には禁句………
「はっはっは!優希にバニーなん……たわばっ?!」
あぁ…やっぱり妄想しちゃった・・・(笑)
なんか、お約束の回数を重ねるたびに蒼空の出血量が増えてないかい?
「うんうん☆若いって、イイねぇ♡」
「蒼空くん、純情だねぇ♡」
お二人共…僕等とはそんなに年の差は無いと思われますが……歳、聞いてみていいですか?(苦笑)
「あのお・・・お客様方・・・?」
その時…お店の店員さんが、四人。
しずしずと僕等の前に現れた。
