ぼんやりお姉さんと狼少年
第39章 不倫、バトル、なんで恋? 後編
琥牙の歳からすれば、実はたしか浩二の倍位の年齢だった気がするんだけど。
「朱璃は真弥のなんなんだ?」
「うん? 真弥には琥牙、うちの息子が世話になっている」
うわああ………見てらんない。
二ノ宮くんも私と同様の気持ちなのか、私たちは顔に両手を覆って笑いを堪え……もとい、彼の初恋から目を逸らした。
「息子………え、ああ!? は、母親? アレの!?」
「アレとは……なんとも…先ほどから礼節に欠ける弟君ですなあ」
苦々しい表情をする伯斗さんを尻目に、怪訝に首を傾げて浩二、それから私たちを見渡しながら朱璃様が声を掛けてきた。
「何故そこで狼狽えるか。 どうでもいいが、場所を変えんか。 明朝までは時間がある」