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僕達の日常-血始し編-

第3章 ~幼馴染との再会~

そんな事を考えながら、とりあえず男子学生の後ろに回り込んだ。

-郁視点-

「早く、イベントにならないかな~
奏太君が自己紹介の時の口上を、生で聞きたい」

「みんなを、幸せいっぱいの笑顔にする歌を奏でる
歌野奏太です♪」

「えッ!?」

突然、有理君ボイスの奏太君の台詞が、後ろから聞こえて振り向く。

「奏太と僕の熱心な気持ち、ありがとうね♪」

変装してても、声と言葉でわかった。

「ゆ、ゆ、有―――――」

「しーっ!」

有理君が、慌てて僕の口を左手で塞ぐ。

僕は、こくこくと何度も頷いて手を離してもらう。

「あ、あの
本当に、有理君ご本人ですか?」

小声で、有理君に本人か確かめる。

「うん、柴野有理(しばのゆうり)です
よろしくね♪」

「よ、よろしくお願いします」

有理君から手を差し出され、僕は有理君と握手をした。

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