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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第4章 ターキー国

戦争中とはいっても、兵士を持つ国は、ナナミー国のみ。あとは国自体をバリケードで固めているため、兵士を持たない。

しかも、住民はみんな和やかに暮らしているように見えた。

戦争といっても、この惑星の戦争はドンパチするような激しいものではなかった。

チョットは、言う。

「国代表の勇者を一人出し、殺し合いをさせるのです。負けた勇者の国の国王はすぐさま自害しなければならず、最後に生き残った勇者の国が負けた国を吸収合併し大きくしていくのです」

「ええぇぇ~、なんかそれも酷い話よねぇ。じゃあ、この星に今は四つしか国が無いって言ってたけど……」

「はい、昔はたくさんあり、この星で47カ国ありました」

「ねぇ、もし、この国の勇者さんが負けたら、私たちはどうするのよ」

「私たちよりも、国王がいなくなります」

光邦は、この国王ならいなくてもいいかなと思った。

だが、代表として勇者となったのは、自分とよく似ているアーナルと呼ばれる娘。

これは、放ってはおけない。

光邦は国王に訊ねる。

「国王様、私って、アーナルと言うものに、似てますか?」

「うむ、確かによく似ておるな」

「アーナル二人がかりでの攻撃はありですか?」

「なに?」

「私がおとりになって、その後ろから本物のアーナルが攻撃するってどう?」

あまりに卑怯な作戦かと思った。

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