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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第4章 ターキー国

国王は一度大きく息を吐くと、「チョット、こっちは寄れ」とカーテンの向こうから手招きをする。

チョットはビクビクしながら近寄る。

「お、お呼びでしょうか、国王様」

「うむ、副大臣から見てどうだ。やつはアーナルに似ておるか。わしは似てると思うのだが……」

「はい、実は先日、ナナミー国の領域にうっかり足を踏み入れてしまいまして、あちらの兵士に見付かったのです。ですが、こちらのアーナル様を見て、本物と勘違いをして撤退されました」

「ほう……」

国王はしばらく口を閉じた後、カーテン下からあるものを出して、チョットに渡した。

「国王様、これは?」

「武器は必要だろ。このターキーには武器や防具を売る店はないが、せめて用意出来るものはこちらから提供しようではないか」

「これは、ありがたき幸せ。ありがとうございます」とチョットは膝をついて頭を下げた。

国王が出したのは、銅製の剣だった。

チョットはその剣を光邦に渡した。

「アーナル様、おとり作戦決行です」

「まさかの採用に私が驚いたわ」

国王邸を出ると、光邦はチョットの肘をついた。

「ねぇ、雑貨屋ない?」

「雑貨屋? そんなものどうするのです?」

「物じゃないわよ。店よ」

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