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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第5章 勇者光邦

だが、今向かっているのはトリセンナシ国。一緒に戦うようにと国王から告げられ、アーナルを追っているはずだが、そのアーナルは、どこに行ったのか。

ひょっとしたら捕虜になった若者を救いに、ナナミーに向かったのではないか。

そうなれば、ナナミー国に向かわなければならないんじゃないか?

「ねぇ、チョット、なんでトリセンナシ国に向かってるの?」

「近いからです」

「……あそ」

山を下り森の中に入ると、どこからか、カラカラカラっと乾いた板に小石が当たるような音がした。

「なんなの、変な音がするわね」

すると、チョットの表情が険しくなる。

「これは危険です。なるべく見付からないようにしましょう」

「え、ちょっとなによ。怖いじゃない」

「ダイトーロていう最強肉食獣です」

「肉食!?」

「はい、この前見たハナチャンや、国の住民も襲います」

「あれ、襲うんならそうとうデカいわね」

「…………」チョットが止まった。

「どうしたの?」

チョットは震える手で指差した場所には……、

「っ!!」

左半身をかじられたような、住民の遺体があった。

「な……なにあれ……」

「ダイトーロにやられたんだと思います」

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