え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?
第6章 トリセンナシ国
光邦は入り口の前に立ち、門の扉を叩いてみる。
扉が開いた。中から門番らしき人物が二人顔を出した。だが、先ほどの門番と比べれば、年老いており、庶民に近い出で立ちだった。
「なんのようか?」
「旅の者なんだけどさぁ、村に入れてくれないかしら」
「今は戦争中だ。そう簡単には入れられない」
「あの門番は開けてくれたわよ」と光邦が木陰で尻を出している男を指差した。
チョットは介抱しているのか、男の尻の穴に落ち葉を詰めていた。
その様子を見た見た門番の一人が、青ざめた表情で叫んだ。
「ゆ、勇者さま!」
「えっ!?」光邦も青ざめた。
その声を聞いたチョットは、尻を出した勇者にわざとらしく大声で、「大丈夫ですかぁーーっ!」
本当の門番はチョットの存在に気付く。
「あぁーっ! ターキーの副大臣……まさか、あなたが勇者様を」
「違います。この方が倒れていたので、いま介抱を」
二人の門番の後ろで、光邦がチョットにむかって身振り手振りで合図をする。
(のばして、のばして)
その間に光邦はメイクをはじめた。
チョットは連続まばたきをしながら、「わわわ、私は~、ターキー国勇者の~、アーナル様に~、忘れ物を届けるために~、足取りを追ってましたら~、たまたま~、こちらの勇者様が~、倒れておりまして~、大丈夫ですかぁ~~って」と時間をかけるためにわざとらしくゆっくりと喋る。
扉が開いた。中から門番らしき人物が二人顔を出した。だが、先ほどの門番と比べれば、年老いており、庶民に近い出で立ちだった。
「なんのようか?」
「旅の者なんだけどさぁ、村に入れてくれないかしら」
「今は戦争中だ。そう簡単には入れられない」
「あの門番は開けてくれたわよ」と光邦が木陰で尻を出している男を指差した。
チョットは介抱しているのか、男の尻の穴に落ち葉を詰めていた。
その様子を見た見た門番の一人が、青ざめた表情で叫んだ。
「ゆ、勇者さま!」
「えっ!?」光邦も青ざめた。
その声を聞いたチョットは、尻を出した勇者にわざとらしく大声で、「大丈夫ですかぁーーっ!」
本当の門番はチョットの存在に気付く。
「あぁーっ! ターキーの副大臣……まさか、あなたが勇者様を」
「違います。この方が倒れていたので、いま介抱を」
二人の門番の後ろで、光邦がチョットにむかって身振り手振りで合図をする。
(のばして、のばして)
その間に光邦はメイクをはじめた。
チョットは連続まばたきをしながら、「わわわ、私は~、ターキー国勇者の~、アーナル様に~、忘れ物を届けるために~、足取りを追ってましたら~、たまたま~、こちらの勇者様が~、倒れておりまして~、大丈夫ですかぁ~~って」と時間をかけるためにわざとらしくゆっくりと喋る。