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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第6章 トリセンナシ国

最上階にある国王の部屋。

大きな木製の扉には、独特な模様の彫刻が施されていた。

「なんか、気味悪いわね」

「うちの国王に比べたら、優しいと聞いたことがあります」

「なら安心ね。あんな攻撃的な国王は見たことないわよ」

チョットは扉をノックしたあと、

「アンバラァ~~」と叫んだ。

すると中から、

「ギョエーー!」

「入っていいそうです」

「それがよくわからないわよ!」

チョットが扉を開ける。

そこはまるで、ホテルの宴会場のような広さの、殺風景な空間。赤いじゅうたんが敷かれ、奥には大きな椅子がある。

チョットが深く頭を下げる。

「お初にお目にかかります。ターキー国からやってまいりました、副大臣をつとめますチョットと申します」

椅子の方から、深いため息のような音が聞こえ、

「副大臣か、敵対しているターキー国から、なぜこのトリセンナシへ?」

「お聞きいたします。例えばの話として、もし、こちらの勇者様が亡くなったとしたら、国王様は、自害するおつもりですか?」

返答はすぐに投げられた。

「勇者は、私の代わりに国の代表として戦ってくれている。もし、負けたとあれば、私も責任をもって、この命を絶つ。これは、どこの国王でも、そうするはずだ」

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