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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第1章 ちょっと、待って!

すると、船内で揺れ、軽い地響きのような音がした。

チョットは、ホッとした表情で『アーナル様、着きました』と告げる。

「どこに着いたのよ?」

『我が星です』

「星!? 結局、連れてこられたかぁ……」

光邦は半ば諦めた。恐怖、不安はさんざん怒鳴り散らしたことにより、すべてどこかに消え去った。

チョットが、床に手を置くと、宇宙船は一瞬にして消滅し、光邦は外へ出された。

「うわ……」とあまりの明るさに目を細める。

連れ出される前、空は真っ暗だったが、ここは真昼のように明るかった。

『いきましょう、アーナル様』

「どこに行くの? あなた、本当に私をどうする気なの? ちゃんと帰れるの?」

正直、常識外れた現象の連続で、立てないくらい憔悴しきっていた。

明るさに目が慣れて来たのか、恐る恐る周りを見てみる。

辺り一面、緑の大草原。

遠くには山が見える。

空は明るく、地球で見るのと同じような青空だ。

「ここが、星?」

風光明媚な景色が、不思議に心を落ち着かせる。

『アーナル様、大丈夫ですか? さあ、まいりましょう。国王があなたを待っております』

「国王?」

『はい、先ほど船の中でも言いましたが、アーナル様は、勇者として任命を受けました』

「勇者て、任命で決まるもんなの?」

『さぁ、どうなんでしょ?』

「知らんのかい」

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