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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第6章 トリセンナシ国

国王の笑い声が、部屋中に響く。

「ハッハッハッ、アーナル……いや、おぬしは別人だな。いったい誰だ」

「あら、バレちゃった」

「国王に関する置目を知らぬ者は、いないからな。すぐわかったぞ。ひょっとして別の星の者か」

「そうよ、このチョットに無理矢理連れてこられてさぁ、迷惑してんのよ。でもさ、まだ私だからよかったわよ。今年さん、命を狙われやすいんでしょ。姿を見られたら困るんでしょ。それにしてはセキュリティー甘すぎないかしら、こんな簡単に私達が入ってきてるのよ」

それを聞いているチョットは、その無礼な態度に冷静でいられず、少し距離を取った。

「ターキーのチョット氏、なにか小銭を一枚持っておらんか」

「ひゃい!」

国王の呼びかけに、裏声で返答する。

「安いのでいい、おもいっきり、こちらに投げてくれんか」

チョットが小袋から、一枚の小さなコインを出した。

光邦が「貸して」とそのコインを取る。

そして、野球のピッチャーのように構え、力いっぱいコインを、国王の椅子に向かって投げた。

コインが椅子に届く寸前に、八方向から雷が流れ、コインはただの炭になった。

光邦は走って逃げていった。

「音速のピストルの弾があったとて、瞬時に感知して電気が流れる仕組みになっておる」

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