テキストサイズ

え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第6章 トリセンナシ国

結局、話し合いは成立しないまま、光邦とチョットはビルを出た。

「光邦、あれからどこにいたんですか?」

「あんな危険な場所、いられないわよ。ずっと反対側の部屋の前にいたわ。あの焼かれたコインはどうなったの?」

「溶けてなくなったので、メイドさんが国王の財布から出してくれたので、いただきました」

「てかさ、そのメイドってのが、食事とか、入浴の世話をしてるんでしょ? て、ことは、メイドなら近くに寄れるのよね。命を狙われて困るからあんな仕掛けしてるんならさ、そのメイドが食事の中に毒とか入れたら、すぐ命を狙えるんじゃないの」

それを聞いたチョットは、目からウロコの表情を見せた。

「え、どうしたの?」

「それは盲点でした……」

「は?」

チョットは薄ら笑いを浮かべる。

「まさかチョット、その方法は思いつかなかった?」

「そんな方法があったなんて……」

「あんた、ターキーの国王に毒もるつもりじゃないでしょうね」

チョットは不適な笑みを浮かべる。

光邦は思った。

(私、よけいなこと言っちゃったかしら……)

しばらく歩くと、道の真ん中で見たことあるような、ないような男が二人の前に立ち塞がった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ