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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第6章 トリセンナシ国

ヒップ、威嚇のための剣舞の失敗のための自傷により、死去。

「うわぁーーー」目の前の惨劇に狂ったように叫ぶ光邦。

全身、緑の血で染まったヒップの体はグラリと横に傾き、静かに倒れていった。

「光邦、気をたしかに。あなたはいま、アーナルとしてここにいるのです。この者が亡くなった以上、この国はもうどこかの国に吸収されます。胸を張ってこの国を出ましょう」

チョットはビルの上を指差しながら言った。

「今頃、国王の部屋では慌ただしくなっていることでしょう。ヒップの腕を見てください」

「は、はひっ!」

ヒップの左腕には、金色の丸いビーズを繋げたブレスレットリングがハマっている。

「あのリングは、勇者の生命反応を感じとり、国王に知らせる役目があるんです」

「なになになに、この星ではこんなエグいことやってんのぉ!?」

すると街中に、サイレンのような音が鳴り響く。

鳴り止むと今度は、女性の声で、

『€*♂#σ@∑△※』

さすがにこれは、光邦には聞き取れなかった。

「光邦、国王が亡くなられて、この国の名は消滅したと放送されました」

「え、嘘でしょ!? だから、なんで死ななきゃならないのよ」

「それがこの星の、習わしです」

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