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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第7章 ガシ国

どういうこと?

光邦とチョットは、顔をしかめる。

シツレは胸を押さえ、何度も咳き込みながら、息を整える。

「ん……、国王の部屋には入り口が一つと、大きな窓が一つしかない。窓は開くが、最上階だ。そこから逃げたとは考えにくい」

「て、ことは、どうなるのよ」と光邦。

「わかりません。生きていれば国は残ります。しかし、それでは亡くなった勇者が、ヒップが気の毒でなりません」

「たしかにそうよね。国のために命をかけてるんだから。死なないってのはいいことよ。でも、勇者見殺しはないんじゃないの? それが昔からの習わしなら、問題よねぇ。あなた、それを伝えにきたの?」

「国王が自害を拒否して、国から逃げた可能性があります。国王らしき人物がいたら捕らえていただきたい」

国王を捕らえる……光邦にしてみれば、いくら国王であろうと、これはよその星の話。正直、どうでもよかった。

だが……、

「どんな偉そうなやつか、見てみたいわね」

好奇心だけが働いた。

シツレは、チョットの手をガッシリと握った。

「ターキー国次期大臣のチョット氏、私は、もう大臣から足を洗わなければならない。国を失った大臣の成れの果て、しっかり目に焼き付けておけ。いずれ、あなたもそうなるかもしれない」

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