
え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?
第7章 ガシ国
チョットは、シツレの目を見据え、言葉を発することなく深々と頭を下げた。
ここにいるのは、アーナルではなく、光邦。
本物が生きているのか、それとも自分達が国を出ている間に、他国の勇者に命を奪われてすでに国は無くなっているのか、それはわからない。確認をするべく、早くアーナルを探し出さなければならないと、強く心に思うチョットだった。
「ねぇ、大臣さん。もし、国王を見付けたらどうするの? 捕らえて連れて行くの?」と光邦が問う。
シツレはきっぱりと、
「国の恥です。始末して下さい」
太陽は少し傾きはじめてはいるが、空はまだ青く、暖かい陽射しが雲の隙間から放射状に流れる。
ガシ国に向かうため、光邦とチョットは近道として岩肌が露出する、今までとは低い山を登っていた。
低いといっても、標高は富士山なみにあり、ただ一つ違うのは酸素は濃く高山病のおそれはないことだろう。
問題は、二人のスタミナだった。
「ここが近道って、険しすぎない?」
「私もここは初めて登ります。でも、ここまでキツいとは思ってもみませんでした」
「絶対、国王はこんなところいないわよ。生きて国から出たとするならこの前のウラユちゃんが住んでたとこみたいな、密林の小屋とかにいると思うわよ」
ここにいるのは、アーナルではなく、光邦。
本物が生きているのか、それとも自分達が国を出ている間に、他国の勇者に命を奪われてすでに国は無くなっているのか、それはわからない。確認をするべく、早くアーナルを探し出さなければならないと、強く心に思うチョットだった。
「ねぇ、大臣さん。もし、国王を見付けたらどうするの? 捕らえて連れて行くの?」と光邦が問う。
シツレはきっぱりと、
「国の恥です。始末して下さい」
太陽は少し傾きはじめてはいるが、空はまだ青く、暖かい陽射しが雲の隙間から放射状に流れる。
ガシ国に向かうため、光邦とチョットは近道として岩肌が露出する、今までとは低い山を登っていた。
低いといっても、標高は富士山なみにあり、ただ一つ違うのは酸素は濃く高山病のおそれはないことだろう。
問題は、二人のスタミナだった。
「ここが近道って、険しすぎない?」
「私もここは初めて登ります。でも、ここまでキツいとは思ってもみませんでした」
「絶対、国王はこんなところいないわよ。生きて国から出たとするならこの前のウラユちゃんが住んでたとこみたいな、密林の小屋とかにいると思うわよ」
