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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第7章 ガシ国

とは言っても、こちらには明かりになるものは何一つなく、その光だけを目指して向かうには、足元の危険性も考慮しなければいけなかった。

地面にブルーメーバ等がいると一溜まりもない。

生物学者でもある、チョットが言う。

「やつらは匂いだけで向かってきます。ですので、光邦が先頭でブルーメーバを足で踏みながら確かめていただいて……」

「そうなれば、私が先に被害あうでしょうよ」

「光邦なら大丈夫かと」

「その大丈夫の意味がよくわからんのよ」



40分ほど歩き、明かりの見える場所になんとか到着。

そこにあるのは、木造小屋からこぼれる光だった。

その明かりに照らされた光邦は……、

全身、ブルーメーバに包まれていた。

「ねぇ、チョット……私がなにしたって言うのよ」

「無事でしたか、よかったです」

「なぜよかったって言うの? てか、全部私に集中してきてるじゃない。唯一顔だけ包まれてないのはなぜ? 深く考えるとポケットショックなんですけど」

「私はブルーメーバが嫌がる匂いを体につけましたから大丈夫です」

光邦はブルーメーバの一部を引きちぎり、チョットの口に押し込んだ。

全身についたブルーメーバを剥ぎ取り、小屋の扉の前に立つ。

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