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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第7章 ガシ国

光邦とチョットは、オイドを引き連れてガシ国に向かうことにした。

オイドは小屋に潜み、他の勇者からの動きを監視していたという。また、戦闘能力の低いオイドは顔を知られていないことをいいことに、知識と知能を武器に他国勇者に挑もうとしていた。

オイドは、身仕度をしながら語る。

「他国勇者だけでなく、本来ならその住民もが敵なのだ。だが、無差別に殺傷することは好まぬ。だから、そちらの副大臣は見逃したんだ」

「私を殺そうとしたじゃない。無差別たまたいなものよ」

「お前が勇者なら、俺の命が危ないのだ。それに、お前がアーナルだと思っていたからな。悪く思うな」

「だったら、もっと軟らかいのをぶちまければよかったわね」

「勘弁してくれ。当分の食料が廃棄せざるを得なかったんだ。言っておくが、すべて自費だからな」

オイドの案内で、仕掛けた罠をかいくぐりながら、大きな川のふちまでやってきた。

光邦が頭をさすりながら、オイドの肘を突く。

「ちょっと……あんたの案内本当にあってた? あんたが仕掛けた罠を避けていったんでしょうけど、まあまあな確率で石が飛んできて、ほぼ全部私に命中してるってどういうこと?」

「お前の運がわるいんだよ」

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