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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第7章 ガシ国

2時間ほど歩き、川の幅が狭く、流れが穏やかに場所にやってきた。

「この辺りでいいでしょう」とオイドが足を止める。

光邦は座り込んだ。

「はぁ、はぁ、もう歩けないわよ、靴なんてもう底がめくれてベロベロになってるわよ」

といって、犬の口のようになった靴を見せる。

「光邦なんかまだいい方です。見てください、靴がありませんから」

チョットはズタズタになった素足を見せた。

「あんた、それでよく歩いてこれたわね。どこかの少数民族見てるようだわ」

オイドはチョットの足を見る。

「まあ、動物はみんな裸足だからな。ちなみに、俺の靴は最初から底が無い」

そう言ってオイドは、 底が抜けた靴の裏を見せる。

「あんたらどうかしてるわよ! よく痛く無いわね」

「光邦もやってみたらいいですよ。ツボを刺激して気持ちいいんです」

「あんた達の感覚にはついていけないわよ。で、これからどうするのよ」

オイドは、なにも言わず、近くに落ちている薪を拾い集めた。

それを見て、チョットも手伝う。

「ふ~ん、とりあえず今日はここで野宿するのね」と光邦も薪を拾い集める。

数分後、かなりの量の薪が集まった。

こんなもんかなといった表情で、オイドが腰を下ろす。

「これで船の材料が集まったな」

「絶望的なこと言うんじゃないわよ!」

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