テキストサイズ

え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第7章 ガシ国

どこをどう見ても火を起こすための薪、イカダを組むような木には思えない。

「こんなので、どうやって船を作るのよ」

オイドは、折り畳まれた麻袋のようなものを出した。

「三枚ある。一人一枚持て」とその袋を二人に手渡す。

「この袋の中にありったけの薪を詰めるんだ」

「どうするのよ」

「とにかく説明する間はない。入るだけ詰めるんだ」

光邦とチョットは、オイドに言われた通りに、薪を詰める。

隙間なく、まるでテトリスのように薪を袋に詰め込む。

見た目よりも袋はしっかりしていて、どれだけ力を入れて詰めようが、破れることはなかった。

まるでパンパンに詰まった、大きめのゴミ袋のようだ。

「こんなもんでいいのかしら?」

「それでいいが、これから野宿するのに必要な薪まで入れてどうする」

「なら、先に言えっ!」


薪を新たに拾い集め、火を起こす。

オイドがバッグから、干した魚を出した。

「夕食はこれを食えばいい。軽く焚き火で炙れば美味しくくえるぞ」

オイドは二人に手渡す。

光邦は顔をしかめ、「ねぇ、これって食糧庫にあったやつ?」

「そうだが、なにか?」

「ウンコの匂いしない?」

「お前が悪いんだろ!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ