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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第2章 サバイバル

それを見たチョットは、すぐに腰を低く落とし、周りを見渡した。

『アーナル様、どこにも敵はいませんよ?』

「敵を見付けたから伏せたわけじゃないわよ! 体力の限界なの!」

『お腹が空いたのでしょうか?』

「それもある。一番は水、二番は食料、三番寝床、四番はイケメンそれでいい」

『四番以外は難しいですね』

「逆に四番いけるんかいっ!!」

『町につけば、イケメンはいます』

「町に行くなら全部いけるだろ!」

ただ、草村の上に横になったことで、柔らかな草の感触と緑の香りが、ほんのわずかだが、心を満たしてくれた。

「だったら、ちょっとだけ休暇させて。体力戻ったらすぐ動くからさ」

『わかりました。少し休んでて下さい』

チョットは、そう言って立ち上がると、歩きながら草村の中を足で探っていた。

光邦はうつ伏せ状態で、目を閉じながら自分に問いかける。

(私は無事に帰れるのかしら? ここはどこなの? 本当に宇宙にある惑星? 答えが見えてこないのよ。あのチョットとかいうやつ、本当にわけわからない。話が通じるようで通じない。私、騙されてるわよね。勇者て、なんなのよ。ゲームの世界でしか呼んでるの見たことないし……)

そんなことを考えていると、突然、グルンと仰向けに返された。

「え?」

目の前には、顔を覗き込むチョットが見える。

「なによ、なんなのよ?」

『口を開けてください』

「は?」

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