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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第2章 サバイバル

光邦が口を開けると、チョットはなにやら直径2センチほどの黒い球状のものを3個ほど放り込んだ。

「んぐっ! なにこれ?」

それは、舌で押すとすぐに潰れるほどの滑らかなペースト状の物で、不味くはないが水分もあり、甘さと苦味が口の中で広かった。

『どうですか?』

「うん、悪くはないわね。なんなのよあれ」

『あちらを……』とチョットが示す方向に目を移すと、なにやら小さな子供が乗って遊ぶ車の玩具くらいの大きさの、黄緑色のカエルような生き物が佇んでいた。

「……なにあれ?」

『あれのウンコです』

チョットの頭に、光邦の蹴りが入った。

「なんて物を食わせるんだっ!!」

『イテテ、なにをするんですか……あの生物は、果実や木の実、草花を食べるんです。そのウンコは、体内に溜まった糖分といらない水分を出したものなんです。出して間もないものでしたら、害はありません』

「だからといって、ウンコだぞ! そんなものよく持ってこれたわねっ!」

『昔の民の知恵です。小さな子供はおやつ代わりに、狩りにいった者は、行動食として利用してました。また、天日でカラカラに乾かしたものは、便秘薬として効果があり……』

「それはただ、下痢してんじゃないの!?」

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