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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第7章 ガシ国

「ガシ国王様の力で、なんとかなりませんか?」とチョットは床に膝をついた。

「だがな、仮にここの勇者と私が消えても、国民は生きておる。ただ、国が消えるだけだぞ」

「勇者の命も国王様の命も尊いものです。戦のために失っていいものではございません。戦争がやめられないのであれば、命をかけなくとも、なにかしらのかたちで勝敗を決めれば良いのではないでしょうか?」

「これは、プライドの問題でもある。国を賭け、負けてのうのうと生きていることは国を背負っている者とすれば許されないこと」

「ですが……」

「勇者は戦う術を知らぬ私達のために、選ばれし者。彼らもまた、国を背負う代表者。最後まで残れば、それなりの地位が約束される」

それを聞いたオイドは、「え、そうなんですか?」

知らなかった。

仮に最後に残った国が、ガシ国だった場合、名も無き惑星の名前が惑星ガシとなり、惑星のトップの次の地位に生き残った勇者が上り詰める。

「もしそうなれば、母ちゃんに上手い飯いっぱい食わしてやれるじゃないか」

「あら、あなたお母さんと暮らしているの?」

「あぁ、俺には国に独り暮らしの母ちゃんがいるんだ。昔、俺のためにかなり苦労させたからよ、その罪滅ぼしに、楽な生活させてやりてえんだ」

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