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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第2章 サバイバル

とは、言うものの、少し疲れが取れたのは確かだ。

ここは、チョットの豆知識のおかげだと、光邦は蹴りを入れたことを素直に詫びた。

数キロ歩いただろうか?

ようやく、ジャングルの入り口が見えてきた。

光邦の左手には、ホヤホヤのウンコが。

「慣れって怖いわね。当たり前のように食えるようになったわよ」

『アーナル様、あまり量を食べ過ぎるとお腹を壊します』

「だから、それが便秘が治る効果じゃないの? てか、あなたは食べないの?」

『私は、携帯用非常食を常に持ち歩いていますので』

2度目の蹴りが炸裂した。




ジャングルに入ると、ほぼ、闇に近かった。木々が日を遮っているわけでもなく、ただ、日が落ちてきているだけだ。

光邦は、ペタリと座り込む。

「もう、体力の限界よ……ねぇ、本当に道はあってるの?」

『まあ、進んでいればいずれ着くかと』

「もう、3度目の蹴り入れる余力もないわ」

光邦は、ダンスショーが終わって、食事も取らないまますぐに連れ出されたため、精神的、肉体的に疲労困憊だった。

しかも、着ているものは、ラメの入ったスポーツブラと短パン、白い皮のブーツに羽織ってきた誰のものかわからないベージュのジャケット。

ポケットには、コンビニのレシートとお釣りの小銭、26円だけ。

後は、言葉の壁を通すためのアプリ使用中の携帯電話に、ワイヤレスのイヤホンマイクのみ。

虫刺されや日焼けが気になるところだが、今はどうでもよくなった。

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