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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第8章 アーナル

オイドは目を細める。

「国を背負った勇者同士が向かい合ったというならば、戦いはやむを得ない。だが、本当はあなたの命を失いたくはないがな」

「いや、だから私に向かって言わないでよ。アーナルはそっち! あんた、わざとやってるでしょ」

「おい、お前!」

アーナルは剣先を光邦に向ける。

「さっきから、私の真似をしてどういうつもりだ! 愚弄するなら容赦はせぬぞ」

「愚弄してるつもりはないわよ。てか、聞いたわよ、あんた女なんでしょ? 嫁入り前の女で、私みたいな顔って、それ人生棒に振ってるわよ」

アーナルは、ムッとし、横にいたチョットに食いつく。

「おい、チョット! あんた、なんでこんなやつと一緒にいるの? 何者なのこれ?」

「あ、アーナル様、この者は旅の途中で勝手についてきた不思議な生物で」

チョットは光邦に、後頭部から蹴り入れられた。

「あんたに説明させたら私が危険だわ。あのさあ、簡単に今までのことを話すけどさぁ、このチョットは旅に出たあなたを探しに、この星を出て地球ってところにまで足をはこでいたの。私はその地球に、住んでたのよ。だけどチョットは、私をあなただと勘違いしてさぁ、訳もわからなく、ここまで強引に連れてきたのよ。あんたのおかげで、私大迷惑だわ」

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