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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第8章 アーナル

光邦の話に、アーナルはムッと口を尖らせる。

「チョット! いくら私と間違えたとはいえ、地球でこんなブサイクと間違えるなんて失礼すぎるだろ!」

「いや、あんた鏡見なさいよ、同じ顔してるから」と光邦は、鏡を見せる。

アーナルは力尽き、膝から崩れ落ちた。

その隙をオイドは見逃さなかった。

「でやぁっ!」と声を上げ、素早く毒針を投げつけた。

「痛い!痛い!痛い!」

針は見事に光邦の腕に突き刺さった。

「待てっ! あんた、何回言えばわかる!? 一緒に二晩過ごして旅した仲間をなぜ間違える!」

「あ、そっちは光邦殿であったか! いや、紛らわしいぞ、同じ顔をやめてくれ」

「そもそも向きからして、私はずっとあんたの横にいるだろ! なんでわざわざ回れ右して攻撃するんだよバカッ」

「その前に、なんで毒が効かないんだ! 一本でも針が刺されば数秒で死に至るのになぜ、三本刺さって死なない!?」

「お前、私を殺す気か! 私この星の勇者じゃないのよ。他人で毒の効き目試してんじゃないわよ! どうしてくれるのよ」

光邦は、針を抜き、毒を絞りだす。

オイドは残りの針を確かめる。

「おかしい、確かに毒は塗った。やはり、地球人には効かぬのか? それとも毒ではないのか?」

オイドは、針の先を指先で突いてみた、




オイドは、死んだ。

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