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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第8章 アーナル

「えーっ! えーっ! えーっ!」

あまりにもあっけない結末に、ただ驚くことしか出来ない、光邦とチョットとアーナル。

「え、なに、こいつ死んだの?」

現状が把握しきれないアーナルは何度も光邦と顔を合わせるが、鏡を見ているような錯覚を起こすため、すぐさま目をそらす。

「アーナル様、オイドさんは、不意をついた毒針攻撃が得意の勇者だったようです」

チョットがそう説明すると、アーナルは呆れ顔で、「だとしたら、相当なアホだぞこいつ……てか、なんでこっちは生きてるんだ?」

そう言って光邦を示す。

光邦は、蚊に刺されたような腫れがある腕をさすり、「地球人には、この星の毒は効かないようね。針はちょっと痛かったけど」とオイドの亡骸を眺めながら言った。

すると、チョットが国王のいるプレハブを指差した。

「て、ことは、国王が自害されますよ」

光邦もすぐに気付く。

「あら、そうね。早く食い止めないと」

「待て、ガシの国王が死ねば、国がへるんだぞ。なぜ、止める必要がある」

アーナルは二人を呼び止める。

光邦は振り返る。

「国王も大事な命の一つよ。今は、国よりも命が大事。国は無くなっても国民は生きてる。でも、国王が死んでいいわけじゃない。この意味わかる?」と走っていった。

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