え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?
第8章 アーナル
光邦とチョットは、プレハブの扉を開け、黒い幕を剥がす。
追いかけるように、アーナルも入ってきた。
チョットは、プレハブ内の黒い幕を取り、窓を開け、光りを入れる。
「ガシ国王、はやまらないで下さい!」
部屋の真ん中には小さなテーブルと、大きくゆったりとした椅子があるだけで、国王らしき姿はどこにも無かった。
「ガシ国王、どこにいるのですか! まだ生きてらっしゃるのでしたら、声だけでもお聞かせ下さい!」
チョットが懸命に呼びかけるが、返事一つさえ、聞こえることはなかった。
「ガシ国も終わったか」とアーナルは、剣を鞘におさめると、光邦が膝をついた。
「オイドぉ……オイドぉ……あんた、自分が作った毒を信じてなかったのぉ……そんな自害の仕方ある? なんで……」
床に額を押し付けるようにして、光邦は泣き崩れた。
短い間だったが、二晩を共にし、旅をして、川を下り、ハジャモの攻撃をも乗り越えた仲間として光邦は支えあってきたつもりだった。
金持ちになって、優雅な生活を母と送りたい……そのオイドの言葉が耳と胸に残っていた。
光邦は、ハッと頭を上げ、 急いで立ち上がると、プレハブから走るように出ていった。
「やめて、まだよ。まだ、オイドを燃やすのはやめて!」
追いかけるように、アーナルも入ってきた。
チョットは、プレハブ内の黒い幕を取り、窓を開け、光りを入れる。
「ガシ国王、はやまらないで下さい!」
部屋の真ん中には小さなテーブルと、大きくゆったりとした椅子があるだけで、国王らしき姿はどこにも無かった。
「ガシ国王、どこにいるのですか! まだ生きてらっしゃるのでしたら、声だけでもお聞かせ下さい!」
チョットが懸命に呼びかけるが、返事一つさえ、聞こえることはなかった。
「ガシ国も終わったか」とアーナルは、剣を鞘におさめると、光邦が膝をついた。
「オイドぉ……オイドぉ……あんた、自分が作った毒を信じてなかったのぉ……そんな自害の仕方ある? なんで……」
床に額を押し付けるようにして、光邦は泣き崩れた。
短い間だったが、二晩を共にし、旅をして、川を下り、ハジャモの攻撃をも乗り越えた仲間として光邦は支えあってきたつもりだった。
金持ちになって、優雅な生活を母と送りたい……そのオイドの言葉が耳と胸に残っていた。
光邦は、ハッと頭を上げ、 急いで立ち上がると、プレハブから走るように出ていった。
「やめて、まだよ。まだ、オイドを燃やすのはやめて!」