え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?
第8章 アーナル
「待って下さい、アーナル様」とチョットが呼び止める。
アーナルは横目でチラ見し、止めるなというような素振りで剣を構え直す。
チョットは「この村人は、あの屋敷(プレハブのこと)には近付いておりません。しかも、私が訪れましたトリセンナシでも同じようなことが起きてます。これは、なにか意味があるのでしょう」とアーナルに訴えかける。
「どういう意味があるというのだ?」
「それは、我々は国王の姿を見ておりませんからわかりませんが、勇者が亡くなれば、なにかの力によって消し去られた可能性もあります」
「そんなバカな、なら、私が死ねば、ターキー国王は跡形もなく消滅するってことか? そんなことはないだろ」
「それはどうかしら」と言ったのは、光邦だった。アーナルは、その声に反応する。
「あんたになにがわかる。て、言うか、見苦しい顔を向けるんじゃないよ」
「そっくりそのまま返すわよ。だってさ、トリセンナシもここも、勇者は戦わずして、自らのミスで死んでるのよ。そんな死に方されて国王は納得して自殺するかしら」
チョットはウンウンと頷く。
「確かに、それもあり得ますね。無様な死に方されて国を明け渡すなら、死なずして国を捧げる考えもなくはないです」
アーナルは横目でチラ見し、止めるなというような素振りで剣を構え直す。
チョットは「この村人は、あの屋敷(プレハブのこと)には近付いておりません。しかも、私が訪れましたトリセンナシでも同じようなことが起きてます。これは、なにか意味があるのでしょう」とアーナルに訴えかける。
「どういう意味があるというのだ?」
「それは、我々は国王の姿を見ておりませんからわかりませんが、勇者が亡くなれば、なにかの力によって消し去られた可能性もあります」
「そんなバカな、なら、私が死ねば、ターキー国王は跡形もなく消滅するってことか? そんなことはないだろ」
「それはどうかしら」と言ったのは、光邦だった。アーナルは、その声に反応する。
「あんたになにがわかる。て、言うか、見苦しい顔を向けるんじゃないよ」
「そっくりそのまま返すわよ。だってさ、トリセンナシもここも、勇者は戦わずして、自らのミスで死んでるのよ。そんな死に方されて国王は納得して自殺するかしら」
チョットはウンウンと頷く。
「確かに、それもあり得ますね。無様な死に方されて国を明け渡すなら、死なずして国を捧げる考えもなくはないです」