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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第8章 アーナル

三人は、大きめのベッドがある、板間の部屋に案内された。

女主人は、鍵を渡し、「お風呂とトイレはそちらになります。また、ご夕食はこちらにお持ちいたしますので」

「待ってくれ」とアーナルが呼び止める。

「どうされましたか?」

「部屋、もう一つ空いてないか?」

「と、いいますと?」

「あいつらは男で、私は女だ。どういう意味かわかるだろ」

「え、ご家族ではないのですか?」

アーナルは光邦を指差し、「あれと同じ顔してるからって、家族とは限らんだろ!」

光邦は化粧箱を持って「同じ顔だから家族と思ったのよ、ちょっと待って」とトイレに入った。

しばらくすると、スッピンの光邦が現れた。

アーナルはポカンと光邦を見つめ、「お、お前誰だ?」

「さっきまで一緒にいたじゃない。てか、そんなにわからんか」


女主人のはからいで、もう一つ部屋を用意された。

その部屋に、チョットが向かう。

「待って待って待って、おかしいだろ!」とアーナルは、すかさずチョットの頭を掴む。

「あのな、なんでチョットが向こうで、私とお前が同室なんだよ!」

「あら、女同士だからいいじゃない」

「お前のどこが女だよ!」

するとチョットが、アーナルの腕を引っ張る。

「アーナル様、いいのです。私があの者と一緒だと、私が危険です」

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