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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第8章 アーナル

それは深刻だと、アーナルは渋々部屋をチョットに譲った。

光邦は部屋にある、ゆったりとした椅子に腰を落とす。

そこへ、アーナルが剣を抜きながら入ってきた。

「おい、光邦というお前」

「なによ、アーナルというあなた」

「ベッドは譲る。だから、お前は私に近付くな」

「なに、私の性別が男だから言ってんの? 私は女に興味はないの。て、いうか、私は心は女よ。だけど、受けるのも攻めるのも得意だけどね」

そう言って、光邦はテーブルに肘をつく。

「それは、どういう意味だ?」

「どういう意味って、私はオカマで同性愛者ってことよ」

「は?」

「もう、説明させないでよ。男でありながら、男が好きって意味よ」

「なにを言っている。男が愛するのは女、女が愛するのは男に決まっているだろ」

「ははぁ~ん、そういうこと……」

光邦は、なんとなくだがわかった。

この星では、同性愛者、オカマ、オナベ、といったものは、存在しないということを。

「だったら、私といるのは不自然ってことよね」

光邦は、テーブルから離れ、部屋の隅に移動した。

「私は屋根さえあればそれでいい。ベッドもテーブルも、あなたが使っていいわよ。だってあなたは勇者だし、私はよそ者で、剣は持ってるけど真似事だし」

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