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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第2章 サバイバル

「ねぇ、あんたどうすんのよ。明かりもないしさぁ、食べ物はウンコしかないし、野宿は嫌よ。せめて、お布団で寝たいわよ」

『お布団?』

「寝る時に使う寝具よ。知らないの?」

『この辺りの枯れ葉を集めては?』

「ぃやだぁ~、細かい虫とかいそうじゃないのぉ~」

普段は、Tシャツと短パン姿でパンダのぬいぐるみを抱きながら、ベッドで寝ている光邦。

しかし、今宵は野宿をして夜が明けるのを待つしかない。

チョットは野宿をするなら、なるべく茂みが多く、木に囲まれたところにしようと言う。

「なぜ? 見通しが良い方が、猛獣とかが近寄ってきた時、すぐにわかるじゃない」

『茂みがあったら、近寄った時にガサガサ音がするから、すぐにわかると思います』

「ん~、そうなのね。てか、猛獣とかいる?」

『たくさんいますよ』

「うそでしょっ! 死ぬじゃん、食われるじゃん、エサじゃん!」

『あら?』

取り乱す光邦をよそ目に、チョットがなにかを見付けた。

「なになに、なんかいたの?」

『あれを……』

見ると……明るい時に草村で見た、大きなカエルような生き物がうっすらと木の根元に佇んでいた。

「あれって、このウンコ出すカエルじゃない。捕まえてウンコださせましょうよ」

『待って下さい。あの生き物に関して、聞いたことがあります』

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