テキストサイズ

え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第8章 アーナル

そう言うと、板間にクッションだけを置いて、壁を背に座り込んだ。

アーナルは剣を下ろす。

「お前は立派な金の剣を持っているのに、男として、剣士としてのプライドはないのか?」

「男なのは体だけ。金の剣も金の玉も持ってるだけよ。でも、一度男の穴を知ると、その快感もたまにはいいかなって思うようになったわ。だから、玉は取るつもりはないわね。でも、安心して、私はイケメンの男しか興味ないから」

「私には、それが理解出来ない。お前が地球人だからそうなのか?」

「地球人がみな同性愛者ってわけじゃないわよ。あなただって、地球に行ったことあるんでしょ」

「私は、地球の文化を学びにいっただけだ。男女の関係なんて、みんな同じものだと思っているからな」

「だから、地球でも私みたいなのは、わりと少数しかいないわよ。で、地球の文化はあなたの目にどう映ったの?」

光邦はクッションを枕にして横になった。

アーナルはテーブルの椅子に腰を下ろす。

「私の母は、地球人だ」

それを聞いて、光邦は飛び起きた。

「はぁ? なんですって?」

「私は母が二十五の時に生まれた。だが、地球人の母は、数年前に八十八歳で亡くなった。地球人は寿命が短いんだ」

「ここの寿命は、地球人と比べると、人間と猫ほどの差があるわね」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ