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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第8章 アーナル

「しかし、このまままとイカダが使えませんよ」とチョットが言う。

光邦はあることに気付いた。

「そう言えばアーナル。あんた、どうやってここまで来たの?」

目の前には大きな川。他に船らしきものは無かった。

まさか、袋に薪をつめて、浮きながらここまで来たのか?

アーナルは、ついてこいとチョットと光邦を手招きで呼ぶ。

ちょっと待ってくれと男達は追うが、アーナルが剣をチラつかせると、すぐに後退りをした。

光邦とチョットは、アーナルの後ろを歩く。

「ねぇ、どこにいくのよ」

「もうすぐだ」

10分ほど歩いていくと、石で出来た、ドーム状のかまくらのようなものが見えてきた。

「なにあれ、ピザ釜?」と光邦が聞く。

「ぴざがまとは?」

「まあ、そうよね」

「ピザなら知ってるぞ。地球で食べたことある」

「それ知ってたら、あともう少し前進すればピザ釜に辿り着いたはずよ」

「ピザが大好きなオカマってこと?」

「なんで、そっちに行くのよ」

と言いながら、石のかまくらの前まできた。

中央に木製の扉が見える。

アーナルは取っ手を両手で握り、力を込めて手前に引いた。

「向こう岸に繋がる地下トンネルだ」

「え、そんなのがあったの!?」

光邦とチョットは驚いた。

「あぁ、一週間ほど前、ガシが賑やかに開通させたらしい」

「オイド、知らんかったんかい……」

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