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え、ちょっと待って、なんで私が勇者なの!?

第8章 アーナル

薄暗い階段を下り、ボコボコに舗装された地下通路に出る。先頭に、アーナル、その後ろに、光邦とチョットがついてくる。

光邦が体をさすりながら、「なんか、薄気味悪いわね。変な物出てこないかしら」

「変な物ってなんですか?」とチョットが聞く。

「幽霊とか出そうじゃない」

「ゆうれい?」

「宇宙人に幽霊の存在聞かれるって、ホント有り得ない体験してるわ私」

そんな無駄話をしながら川底のトンネルを歩き続けると、突然、アーナルの足が止まった。

「待った……なにかいるぞ」と言って剣を抜く。

「ほら、やっぱり幽霊よ。幽霊がいるのよ」

「幽霊ってなんですか?」

チョットの質問にややイラついた光邦は、

「お化けのことよ!」と声を上げた。

すると……

ズズ……ズズ……と音がする。

「なんの音よ……」

周りを見てみるが、自分たち以外、誰もいないし、怪しい物体もない。

ズズ……ズズ……

だが、その音はかなり近い所から来ている。

アーナルは耳をすまし、剣を構える。

「二人とも、気をつけて」

光邦も、かたちだけだが剣を握る。

やがて、音がしなくなった。

「いなくなった?」と光邦は剣を下ろす。

「ねぇ、私思うんだけど、ここ、川の底でしょ。きっと、川の大きな生物がトンネルの上を歩いてるのよ。その音よ」

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